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春のダイエット~東洋医学からのアプローチ vol.6

春のダイエット~東洋医学からのアプローチ vol.6

日本女性ヘルスケア協会長 鈴木まり

 

いよいよ温かくなり薄着の季節になると、途端に気になり始めるのがボディライン。

この時期から夏にかけて、ダイエットコンテンツが人気になることからも、皆さんの関心が高いことが分かります。

 

今回は、「春のダイエット」について中医学(漢方)の観点からのケアのポイントをご紹介したいと思います。

ご自身のケアや、ご家族、お客様のケアに是非お役立て頂ければと思います。

 

■「春」はどのように人体に影響を与えるか

漢方のルーツである中医学において、春は徐々に陽が長くなり、陰陽の中でも陽が少しずつ優勢になる季節です。更に、春は、「風邪(ふうじゃ)」の季節であり、「肝」に入りやすい季節と言われます。

「肝」といえば、目に通じる(白目が黄色いと肝臓が疲れている等)というのは一般的に知られていますが、その他に、「肝うつ」と言われ、うつ症状とも結びつきが強いと言われています。

実は、この考えはインド医学であるアーユルヴェーダでも共通の考えなのです。

アーユルヴェーダでは、春は「KAPHA(カパ)」が強く出る季節と言われています。

KAPHAとは、土+水の組合せの体質で、主な症状としては、カラダ(特に下半身)が浮腫みやすくなり、冷えやすくなる浮腫の症状や、水毒症状、太りやすい、甘いものを欲する、粘膜に症状が出やすく、肺が弱くなりアレルギー症状が出やすい等があります。冷えて浮腫むと、倦怠感が酷くなり、うつ症状も出やすくなりますから、この、浮腫みとうつというのは特に東洋医学共通の考えとなります。

 

<まとめ>

春(=肝)→カラダ表面の冷え+浮腫み(太りやすい)+アレルギー症状+頭痛や倦怠感などのうつ症状

 

■マッサージでのケア

春は特にこの様な症状を発症する方が多いので、「肝経」をアプローチしたケアが重要になって来ます。

肝経とは、足裏から内股を通って生殖器に入り、脇腹の方に抜けていく全身繋がっている経絡(つぼ)です。

マッサージの場合、足裏から内股全体を手全体で優しく温めるようにゆっくりさすっていきます。その後、ヒップの横からわきの下にかけて脇腹全体も優しくマッサージします。

強めが好きな方は、親指や手をグーにして第二関節全体で擦る様にマッサージするのもオススメです。

肝経へのアプローチは、ジョホレッチや各書籍でも必ず用いているポーズの一つです。

特にむくみやすい方、倦怠感の出やすい方は、脇腹をしっかり伸ばすストレッチがオススメです。

水分代謝が上がり、余計な水分が排出されて、夜にマッサージしただけで翌朝1キロほど減量される方もいらっしゃいます。

 

■精油やアロマ

KAPHA体質が出やすいときは、血流やリンパの流れが悪く代謝が落ちているときです。また、代謝が落ちるとKAPHA体質が出やすくなるという悪循環にもなります。

春は特にKAPHAが出やすいので、なるべく代謝を上げるスパイシーな精油を使用するとケアになります。グレープフルーツやブラックペッパー、ジンジャーなどを2%ほどにブレンドして使用すると更に良いです。

 

■漢方

浮腫み症状がある頭痛には、「五苓散」という漢方がポピュラーです。ドラックストアなのでも手軽に購入できます。飲みすぎた後のむくみや頭痛にも用いられる漢方です。

 

■「辛温解表類」を用いた薬膳でのケア

春の薬膳では「辛温解表類」というカテゴリーの食材を用いてケアします。

「辛温解表類」とは、体温の表面を温め、代謝を上げて風邪など春の症状を予防する食材です。主に、長ネギ(玉ねぎは別のカテゴリです)、紫蘇、ミョウガ、パクチーがこの類に入ります。うつ症状でイマイチ元気が出ない時には、気を補う食材である「利気類」と併せて調理すると薬膳になります。

利気類といえば、鶏肉と牛肉、玉ねぎ、蕎麦などがあります。

鳥肉をオリーブ油、塩コショウでソテーして紫蘇やミョウガ、パクチーなどトッピングして頂くと、簡単に春の薬膳になりますし、高たんぱく低カロリーのダイエットフードとしてもオススメです。

 

■さいごに

春のダイエットのポイントは「むくみケア」ということです。

悪循環を断ち切るためにも是非、試してみてください。