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左顔面が2倍に膨れ上がった原因

 

 

暑さが続く中、急に冷える日があったりと体調を崩される方が多く見受けられます。もちろん私も他人事ではなく、体調を崩すまいと毎日羽織物や扇子を取っ替え引っ替えバックに潜ませる日々。

そんなある日、ストレスからか左耳を無意識に引っ掻いてしまい痛みを発症。

その日の夕方頃から顎関節あたりのリンパ節が痛みだし嫌な予感がしてきました。しかもこの日は朝から雨で急に冷えた日でした。

夜には友人の出演するコンサートに行くためにやや薄着で出かけた為、カラダも冷えてしまっていました。

コンサート終盤に差し掛かる頃に、じわじわと左耳のリンパ節に熱を感じる様に。
一瞬コロナも疑ったものの、喉の痛みや赤み、感冒症状は一切なし。
帰宅後熱を測ると37.6度。

「リンパ節炎かな、、これは抗生剤を飲まないと発熱してしまうかもしれない」

と、この日はアイスノンで左耳を冷やし就寝。

翌朝仕事へ行く前に近所の耳鼻科へ行くと、首の痛みも喉の痛みもなく、ピンポイントに顎関節下の圧痛と微熱だけなので、「なにかしらの炎症」ということで抗生剤を処方してもらいました。

ひとまずほっとしながら薬を飲み、早く熱と痛みが引かないかと薬の反応を待っていましたが、良くなるどころか、翌朝には目を疑う光景が。

左顔面が輪郭を失うほどにパンパンに腫れ上がり、左顔面だけまるで別人になっていたのです。

前日には、夕方と夜に投薬し、投薬開始からまだ24時間も経っていないのでまだ薬の反応がないのか、、?と、抗生剤の肯定を言い聞かせていましたが、その翌日には更に腫れが増して痛みも増大。

見た目の症状からは、耳下腺炎そのものでした。

小学生の頃におたふく風邪を経験した記憶がありつつも、必ずしも再疾患しないとも言い切れないので、もう片方の顔面が腫れてこないことを祈るばかり。

更に、感染症の場合には、接客業には痛いスケジュールキャンセルの連絡が必要になりますので、焦燥感と神頼みの狭間に。

仕事依存症者としては仕事のキャンセルは相当なストレスです。

夜になると37度前半の微熱も繰り返していたので、勇気を出して仕事やプライベートの予定をキャンセルしひとまず静養へ。

新月を見ようと窓を覗き込むと、窓ガラスにうっすら映り込む私の左顔面はフルムーン。
一瞬ギョッとし、視覚的ストレスも相当なものでした。

左顔面に"満月"を抱え数日経過。

耳下腺炎の場合においても、処方された抗生剤は効くはずなのに、症状反応が全くないばかりか悪化する一方。

「これは菌が原因の炎症ではない、、ということはウィルスか、、、?」

と疑いを持ち始めた頃、痛みの中心が顎関節付近から耳全体、特に耳の顔側の脇に移動してきた上に、膿を持った様に赤く腫れ上がってきました。

顔面神経に沿ってるのでは、、不安が過り、翌朝に慌てて再診へ。

 

再診察の結果は

 

「帯状疱疹」。

 

幸いにも、耳の中まではまだ広がっておらず、顔面の局部に留まっていました。また、痛みが神経痛というよりはリンパの腫れの痛みに似ていたので軽傷です。

"はぁ〜"とため息をひとつついた後に、脳内にまた新たな不安が過ります。

帯状疱疹が顔面にでた場合、顔面全体に広がっていき、失明と顔面神経症のリスクが高くなります。

その旨もドクターと話をしつつ、とりあえず1週間は要注意なので要静養と申し伝えられました。

帯状疱疹の場合、少しでも早めに抗ウィルス薬の投薬を開始をしないと上記のリスクが高くなるので、処方箋薬局のカウンターで薬を受け取り支払いをしながら慌てる様に大きめの抗ウィルス薬を2錠を、持っていたペットボトルの水で一気に流しこみました。

すると、翌朝には数日間抱えていた左顔面の満月がスッと消えており、明らかに投薬が有効であることが目に取れました。

胸を撫で下ろしたものの、抗生剤を飲み始めていたのでこれも途中でやめるわけにはいかないという、抗生剤の罠にはまってしまうわけです。 ただただ肝臓に負担をかけながら意味もなく飲み切らなければならない抗生剤。ガンジダにならないようにと乳酸菌類を積極的に取りつつ、早く終わらないものかと残りの抗生剤を指で数えていました。

脇腹などに名前の通りに帯状に出ていればもっと早く診断もついたことでしょうが、良いのか悪いのか、今回私の免疫力が反対勢力で頑張ってくれたおかげで疱疹がなかなか現れずに診断が遅れた形となりました。

帯状疱疹は基本的に目視での診断になるため、これが「医者泣かせ」の所以です。

厳密には血液検査もあるのですが、疾患時の血液の状態と、完治してからの血液の状態を比較して診るものなのでほとんど行われません。完治した患者は来院することはほとんどありませんから。

特に50代以降のクライアントから、帯状疱疹ワクチンについてのご相談が多くなった昨今ですが、出る場所、症状は実に様々でロシアンルーレットのようなものです。

寝られないほどの神経痛や顔面麻痺などの後遺症を何年も抱えている方を見ていると、ただ不安を抱えてQOLを下げるよりはワクチン接種を勧めたくなりますが、私の様に診断しづらく小規模の場合もあります。

いずれにしても、食事、睡眠、運動という基本に戻り、免疫力ケアを日頃から意識することが大切なのだと改めて感じました。

まだ静養期間と申し受けした中にありますが、症状はほぼ改善し、痛みもなく、湿疹改善にむけて皮膚が代謝する痒みがあるだけです。

これから湿度と気温が上がってくると、汗疹などの湿疹も多くなってきます。

帯状疱疹は皮膚の弱いところに痛みを伴わずに局部的に汗疹の様に出る場合もありますので、汗疹だと思い込むのは危険かもしれません。

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◎帯状疱疹各部位の発症率
頭部~顔面17.6%
・頸部~上肢14.5%
・上肢~胸背部31.2%
・腹背部19.6%
・腰臀部~下肢17.1%

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上記のように、顔面に発症する割合も一定数ありますので、神経麻痺などの後遺症リスクが高くなる前に、おかしいな?と思ったら早めに皮膚科、耳鼻科で診察することを強くお勧め致します。