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汗をかく動物はヒトと〇〇だけ?正しい発汗トレーニングとは ~Vol.20

 

 

汗をかく動物はヒトと〇〇だけ?今からはじめたい正しい発汗トレーニングとは 

                                                                                       日本女性ヘルスケア協会長 鈴木まり 

 

湿度の高い日、30度を超える日も出てきました。   梅雨入りも間近となり、連日の気圧の変化から、頭痛やめまい、だるさなど、体調不良を訴える方も増えています。 

特に高温多湿環境で作業される方々や、体感のセンサーが衰えてきたシニア世代、更年期の中にあられる方にとっては、めまい、ふらつき、動悸や息切れ、頭痛の他、慢性疲労など、自律神経の失調症状も出やすくなる時季です。 

カラダを暑さに慣れさせて、熱中症になりにくいカラダ、疲労をため込まないカラダをつくっていくためには、どのような“リハビリ”が良いのかお話したいと思います。 

■発汗のメカニズムと人間の進化 我が家の愛犬ポキオ(イタリアングレーハウンド・雄)が日光浴をしにベランダへ寝転がってしばらくすると、舌を出して「はぁはぁ」とカラダの熱を発散させる行動を観察していると、なぜ人間はわざわざ発汗するように進化してきたのだろうと不思議に思うことがあります。発汗が苦手な私にとっては舌を出して「はぁはぁ」とするポキオを見ていてややうらやましくも思うことがあります。かといって、ポキオをまねて「はぁはぁ」息を荒げてみるとすぐにでも過呼吸になりそうです笑。(ちなみに、ヨガにはこのような呼吸の修行もあります)  

人間は、地球の温暖化とサバンナ化という環境変化に適応すべく、効率よく体温調節するために体毛を捨て、”発汗と蒸発”という進化を遂げてきました。実は、私たち人間の様に大量に発汗する動物は珍しく、他には馬くらいなものだそうです。全身毛並みに覆われた馬が人間同様に発汗するというのも意外なお話ですね。 

私たちは、カラダをオーバーヒートを起こしそうになると、脳の視床下部という生命維持に重要な場所に信号が届き発汗します。また、発汗だけでは体温を下げる効果はなく、発汗の後に“蒸発”までの過程、つまり、”乾くこと”が体温を下げる為に重要になります。 

ストレスや年齢、体質などにより、この発汗過程が上手くいかなくなると、のぼせなど様々な症状が出てきて生活の質を落とすことになってしまいます。 

■“じんわり”発汗トレーニング法 

特に女性に多い”発汗の癖”といえば、「顔だけ汗をかく」「背中だけ汗をかく」などの部分発汗です。そういう私も実は体温調節が得意ではなく、最近人気のサウナは特に苦手で、すぐにのぼせてしまいます。 

本来、体温調整をするには、“顔だけ”や“背中だけ”の1部分だけでは不十分で、四肢も含めた全身発汗するのが本来です。ですので、部分汗の方や、私の様に発汗までに時間がかかる方、のぼせやすい方は、既に自律神経が働きにくいカラダとも言えます。 

では上手に発汗するカラダをつくるにはどうしたらよいのでしょうか。 

まずは、38度くらいのぬるめの湯に20分ほど、水分を取りながら半身浴からはじめてください。湿度が苦手な方は、換気をしながら無理のない範囲で行ってください。 

ここで重要なのは、「滝のような汗ではなく、お風呂上りにじんわりかく汗」です。  滝汗まで行くとかえって疲れてしまったり、のぼせの原因になりますので、“じんわり発汗”を意識しましょう。  

■美肌効果のある汗  

また、この“じんわりの汗”の成分には美肌効果もあります。  汗に含まれる保湿成分は主に、尿素・乳酸・乳酸ナトリウム・乳酸カリウムです。 

私も若い頃に経験がありますが、アトピーや湿疹でお悩みの方は、汗をかきにくいので肌荒れを起こしやすいという悪循環もあります。 

私のクライアントで、重度の全身アトピーがの方に、軽く汗をかく程度の10分ほどのジョギングを薦めたところ、やはり「ジョギングで汗をかいた日は肌の調子が良い」という実感があられました。 

アトピーの方は、全身のかゆみから熱湯シャワーを好んで幹部に当てたがりますので、入浴だけではかえって乾燥に原因をつくってしまいます。ですので、入浴と併せて、簡単な運動を促すことをお勧めいたします。 

お休みの日にはゆっくりお湯でカラダを温めてこれからの夏日に備えていきましょう。