サイトへ戻る

アーユルヴェーダ処方とSDGs①

アーユルヴェーダ処方とSDGs〜1/3
日本女性ヘルスケア協会長 鈴木まり

月からシリーズで、アーユルヴェーダとその処方についてお話ししたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・
◉1コラム:アーユルヴェーダ処方とSDGs
◉2月コラム:アーユルヴェーダ処方とアダプトゲンハーブ
◉3月コラム:フェムケア保湿オイルの作り方、選び方〜アーユルヴェーダ処方
・・・・・・・・・・・・・・

最近、日において注目される”パワーフード”にアーユルヴェーダ由来のものが目につくようになってきました。

数年前に流行した、ココナッツオイルをはじめ、沖縄が原産地にもなっているスパイスのヒバーチ、最近では、モリンガの健康効果とCO2削減効果にも注目が集まっています。

ココナッツオイルは私が開業した21年前には入手が難しく、スリランカで商社をやっている方から高額で仕入れておりましたが、ここ10年くらいで世界的需要が高まり、値段も下がってスーパーなどでも目にするようになりました。(但し、アーユルヴェーダで使用するオイルはアーユルヴェーダ製法によるもの)

ココナッツオイルの需要が高まる一方、アフリカ諸国ではココナッツ栽培の為の原生林だ森林伐採が盛んになり、そこに暮らすゴリラなどの固有動物たちが壊滅状態であることも無視してはいけない現実です。

先日、武蔵野美術大学に伺い、アフリカ原住民族の方と自然保護活動をされている日本の研究者の方のお話を伺いましたが、古くからそこに暮らす民族の方々も住処を奪われ、生活が一変しているとのことでした。
私たちは、無自覚に乱暴な商業活動に加担していることも知っておかなければなりません。

さて、ココナッツオイルは、成分の90%以上がトランス肪酸を含まない飽和脂肪酸であることから、脂肪燃焼などのダイエット、抗菌作用、免疫ケア等、”食べるオイル”として日本で人気に火がつきました。

アーユルヴェーダにおいては、脳にも良い(認知症予防や脳疾患のアフターケア)とも言われており、ヘッドマッサージで頭皮に刷り込みながら使用したり、円形脱毛症の患部に塗り込むと、発毛の回復が早いと言われ使用されます。また、妊婦にも安心して使用できるオイルのひとつです。

ココナッツオイルは、身体にトラブルのある人、肌の弱い人、湿疹や脱毛症などの患部ケアにも利用できる万能クリームの様なオイルというわけです。ですので、私は日本で食べるオイルとして人気が出るまでは、「ココナッツオイルは塗り薬」として認識していました。

現在でも、塗り薬として必ずストックしてあるオイルのひとつです。
お顔の保湿ブースターとして、フェムケアの保湿剤としてもオススメです。

ちなみに、ココナッツウォーターは、未熟児などの発育が遅れている子どもに飲ませると発育ケアになると言われており、日本で言うスポーツ飲料の様に、栄養ドリンクとしても人気です。

そしてもうひとつ。
最近日本において注目度が上がっているハーブ、モリンガについても触れておきいと思います。

モリンガは、インドを中心とした南アジアの地域やアフリカ、南米などが原産で、アーユルヴェーダにおいても古くから処方される生薬のひとつです。
モリンガは、成長が早く、3mほどの木になります。この成長の速さに隠される素晴らしい効果の一つが、CO2の削減効果なのです。SDGsが進む中、宮古島ではモリンガの森プロジェクトを運営している方も見かけるようになりました。
持続可能な生活、豊かな地球環境の上に私たちの健康が成り立っていることを考えると、素晴らしい植物と言えます。

このモリンガですが、お茶として飲まれることが多く、血糖値が高い方に処方されます。
アーユルヴェーダにおいては、「モンガには300もの薬効がある」とされ、「奇跡の木」とも呼ばれています。
また、その歴史は古く、紀元前から“shigru”と呼ばれ幅広く活用されてきました。
葉や枝、幹を粉末化したお茶などの食材としてだけでなく、アヴィヤンガ(アーユルヴェーダ特有の解剖概念である、マルマと呼ばれる皮膚上にあるツボに生薬やオイルを擦り込むマッサージ)施術の素材としても利用したりします。

日本の農林水産省のHPを見ると、
》モリンガはビタミンC、カリウムを多く含み抗酸化作用だけでなく免疫力を高め、抗ガン化作用、高血圧心臓病、糖尿病など にも効果があるとして近年オーストラリア医師会等からも食用としても推奨されている。とあります。

更年期以降の女性は、コレステロール値と血圧が上がるだけでなく、血糖値も上がりやすくなりますので、40代から生活に取り入れると良いお茶のひつです。
粉末状にしたモリンガは、水やお湯で解いて飲むことが多いのですが、味は抹茶味の青汁の様な感じですので、日本人の口には馴染みがあります。

また、もう少しマニアックな使い方としては、粉末状のものを指に適量取り、優しく歯茎に擦り込みながマッサージするのもオススメです。いかにもアーユルヴェーダぽさを楽しめると思います。

最近では、ネット通販でも手軽に購入できるハーブとなりましたので、是非生活に取り入れてみては如何でしょうか。

次回は、「アーユルヴェーダ処方とアダプトゲンハー」について触れていきます。